海外から日本のVPNサーバーへ接続して、
「VPNを使うとインターネットが遅くなった」
「日本のVPNサーバーにつながるけれど速度が出ない」
と感じたことはないでしょうか。
VPNを利用すると、通常のインターネット接続に比べて通信速度が低下することがあります。
しかし、VPNが遅い=VPNサーバーに問題があるとは限りません。
海外から日本へVPN接続する場合、現地のインターネット回線、Wi-Fi、日本までの物理的な距離、国際回線の通信経路、VPNサーバーの負荷、利用している端末など、さまざまな要因が通信速度に影響します。
この記事では、海外から日本のVPNサーバーへ接続したときに速度が低下する主な原因と、VPNが遅いと感じたときに確認したいポイント、改善方法について解説します。
VPNを使うと通信速度が低下するのはなぜ?
VPNを利用しない通常の通信では、利用しているインターネット回線から目的のWebサイトやオンラインサービスへ通信します。
一方、日本のVPNサーバーを利用する場合は、
海外のパソコン・スマートフォン
↓
現地のインターネット回線
↓
日本国内のVPNサーバー
↓
Webサイト・オンラインサービス
という経路になります。
つまり、海外から日本のVPNを利用する場合、通信はいったん日本のVPNサーバーを経由します。
さらにVPNでは、端末とVPNサーバーの間で通信を保護するための処理も行われます。
このため、VPNを利用していない状態とまったく同じ通信速度になるとは限りません。
特に海外から日本へ接続する場合は、VPNそのものよりも日本までの通信距離や国際回線の状態が大きく影響することがあります。
原因1:海外から日本までの物理的な距離
海外から日本のVPNを利用するときに、まず理解しておきたいのが距離です。
例えば、シンガポールから東京へ接続する場合と、ヨーロッパや北米から東京へ接続する場合では、通信データが移動する距離が違います。
インターネットの通信は非常に高速ですが、それでも物理的な距離の影響を完全になくすことはできません。
距離が長くなるほど通信の遅延(レイテンシ)が大きくなる傾向があります。
そのため、日本国内で日本のVPNサーバーへ接続したときの速度と、海外から同じサーバーへ接続したときの速度を単純に比較することはできません。
海外から日本のVPNを利用する場合、ある程度の遅延が発生することは正常です。
原因2:現地のインターネット回線が遅い
意外と見落としやすいのが、VPNへ接続する前のインターネット回線です。
例えば、
VPN接続前:10Mbps
VPN接続後:5Mbps
だったとします。
この場合、VPNを外しても元々10Mbpsしか出ていません。
VPNサーバーを変更しても、元回線以上の速度を大幅に出すことは基本的にできません。
そのため「VPNが遅い」と感じたら、最初にVPNを切断した状態で速度を測定することが重要です。
ホテルや集合住宅などでは、利用者が増える時間帯に回線そのものが混雑することもあります。
原因3:Wi-Fi環境が遅い
インターネット回線自体には問題がなくても、Wi-Fiがボトルネックになっていることがあります。
例えば、
- Wi-Fiルーターから離れている
- 壁や家具などの障害物が多い
- 周囲に多数のWi-Fiがある
- 古いWi-Fiルーターを利用している
- 多くの端末が同じWi-Fiを利用している
といった状況です。
特に海外赴任先の住居では、最初から設置されているルーターをそのまま利用しているケースもあるでしょう。
可能であればルーターの近くで速度を測定したり、パソコンなら有線LANで接続したりして比較してみてください。
VPNを使わない状態でもWi-Fi接続だけが遅いのであれば、VPNよりWi-Fi環境を改善する方が効果的です。
原因4:VPNサーバーが混雑している
VPNサーバー側が原因になることもあります。
VPNサービスでは、一つのサーバーを複数の利用者で共有することがあります。
利用者が集中すると、サーバーやネットワーク回線の負荷が高くなり、通信速度が低下する可能性があります。
例えば、
「昼間は速いのに夜になると遅くなる」
という場合、利用者が集中する時間帯が影響している可能性があります。
複数の日本サーバーを選択できるVPNであれば、別のサーバーへ切り替えて速度を比較してみるのも一つの方法です。
原因5:日本までの通信経路が変わっている
インターネット通信は、海外の自宅から日本のVPNサーバーまで一直線につながっているわけではありません。
複数のネットワーク事業者や設備を経由して日本まで到達します。
そして、必ずしも地理的に最短の経路を通るとは限りません。
通信事業者同士の接続状況やネットワークの混雑などによって、同じ国から日本へ接続していても通信経路が変わることがあります。
そのため、
「昨日は速かったのに今日は遅い」
「同じVPNなのに別のインターネット回線では速い」
といったことが起こる可能性があります。
VPNサーバー側に問題がなくても、海外から日本までの途中経路が混雑していれば速度が低下します。
原因6:VPNの通信方式による違い
VPNには複数の通信方式(VPNプロトコル)があります。
使用する方式によって、
- 通信速度
- 安定性
- セキュリティ
- 対応している端末
- ネットワークとの相性
などが異なります。
VPNサービスによっては複数の通信方式を選択できます。
同じVPNサーバーでも、使用する方式を変更すると速度や安定性が変わることがあります。
ただし、「最も速い方式が常に一番良い」とは限りません。
利用している国や回線によっても結果が変わるため、VPN事業者が複数の接続方法を提供している場合は、それぞれ試して比較するとよいでしょう。
原因7:端末やVPNルーターの性能
VPNでは通信の暗号化などの処理を行うため、端末側でも一定の処理能力が必要になります。
最近のパソコンやスマートフォンで大きな問題になるケースは多くありませんが、古い機器では影響が出る可能性があります。
特に注意したいのがVPNルーターです。
VPN対応ルーターでは、ルーター自体がVPN通信の処理を行います。
そのため、インターネット回線が高速でも、ルーターの処理能力が低ければVPN接続時の速度が頭打ちになることがあります。
例えば自宅回線が500Mbpsでも、VPNルーターがVPN通信を数十Mbps程度しか処理できなければ、それ以上の速度は期待できません。
VPNルーターを選ぶ場合は、通常のWi-Fi速度だけでなく、VPN利用時の性能も確認することが重要です。
VPNが遅いときは、まず原因を切り分ける
VPNが遅いと感じたときに、いきなり設定を変更するのはおすすめしません。
まず、
「どこから遅くなっているのか」
を確認しましょう。
簡単な確認方法があります。
1.VPNを切断して速度を測る
まずVPNを使わない状態でインターネット速度を測定します。
これが基準になります。
VPNを使っていない状態ですでに遅いのであれば、VPNサーバーだけを調整しても大きな改善は期待できません。
2.VPNに接続してもう一度測る
次に日本のVPNサーバーへ接続して、同じ端末・同じ場所から再度速度を測定します。
VPN接続前後の数字を比較します。
例えば、
VPNなし:100Mbps
VPNあり:70Mbps
なら、VPN経由による速度低下はありますが、通常のWeb閲覧などでは十分な場合もあります。
一方、
VPNなし:100Mbps
VPNあり:2Mbps
という状態なら、VPNサーバー、通信経路、接続方式などを詳しく確認する価値があります。
3.時間帯を変えて測る
同じ環境でも朝・昼・夜で速度が変わることがあります。
特定の時間だけ遅い場合は、現地回線またはVPNサーバーなどの混雑が関係している可能性があります。
4.別の端末で試す
パソコンでは遅いのにスマートフォンでは問題ないのであれば、端末や設定が原因の可能性があります。
反対に、すべての端末で同じように遅いのであれば、回線やVPNサーバーなど別の場所に原因がある可能性が高くなります。
VPNが遅いときに試したい改善方法
原因を切り分けたら、次のような方法を試してみましょう。
VPNサーバーを変更する
複数の日本サーバーが提供されている場合は、別のサーバーへ接続します。
サーバーの混雑が原因なら、これだけで改善する場合があります。
Wi-Fiルーターの近くで試す
Wi-Fi環境が原因かどうか確認できます。
可能なら一度有線LANでも測定してみてください。
ルーターを再起動する
現地のルーターやモデムが長期間動作している場合は、再起動で状態が改善することがあります。
ただし、赴任先の住居などで通信設備の管理方法が分からない場合は、むやみに設定を変更せず、契約している通信事業者などに確認してください。
VPNの接続方式を変更する
VPNサービスが複数の接続方式を提供している場合は、別の方式を試します。
回線との相性によって速度や安定性が変わる場合があります。
時間帯を変える
夜だけ極端に遅いのであれば、混雑が原因かもしれません。
朝や昼にも測定して比較すると判断しやすくなります。
別のインターネット回線で試す
可能であれば、自宅Wi-Fiとスマートフォンのモバイル回線など、異なる回線からVPNへ接続して比較します。
例えば、
自宅Wi-Fi+VPN:5Mbps
スマートフォン回線+VPN:50Mbps
となるのであれば、VPNサーバーだけではなく自宅側の回線や通信経路が影響している可能性があります。
この比較は原因を切り分けるうえで非常に有効です。
「VPNの速度」だけを見てサービスを選ばない
VPNを比較すると、「高速」「最速」といった言葉がよく使われています。
しかし海外在住者の場合、VPN事業者が公開している速度がそのまま自分の環境で出るとは限りません。
例えば日本国内で測定した速度が非常に速くても、実際に利用する場所がヨーロッパなら、日本までの国際通信が加わります。
同じVPNでも、
- シンガポール
- アメリカ
- イギリス
- オーストラリア
では結果が変わります。
さらに同じ国でも利用している通信事業者によって変わる可能性があります。
そのため海外からVPNを利用するのであれば、
最高速度の数字より、自分の環境で必要な速度が安定して出るか
を見る方が重要です。
どのくらいの速度があれば十分?
必要な通信速度はVPNの用途によって違います。
メールや一般的なWebサイトを見るだけなら、それほど高速な通信は必要ありません。
一方、
- 高画質な動画
- 大容量ファイルの転送
- オンライン会議
- クラウドサービス
などでは、より高速で安定した通信が必要になります。
重要なのは「VPNで何Mbps出たか」という数字そのものではなく、
自分がやりたいことを問題なくできるか
です。
例えば100Mbpsから50Mbpsへ低下したとしても、実際の用途でまったく困らないのであれば、その速度低下を過度に気にする必要はありません。
海外から日本のVPNを使う場合は実際に試すのが一番確実
ここまで説明したように、VPNの通信速度は非常に多くの要因に左右されます。
そのため、
「このVPNなら海外から必ず○Mbps出ます」
と一律に判断することは難しいです。
私自身もシンガポール駐在を経験しましたが、海外のネット環境は日本にいるときとは条件が違います。
VPNサービスを選ぶときも、Webサイトに掲載されている数字だけではなく、
自分が実際に生活する場所・インターネット回線・端末から接続して確認する
のが一番確実です。
useusdVPNの場合
useusdVPNは、海外在住の日本人が日本のインターネット環境を利用することを主な目的としたVPNサービスです。
日本国内にVPNサーバーを設置していますが、海外から日本までの通信速度を保証することはできません。
例えば同じサーバーでも、シンガポールから接続する場合とヨーロッパから接続する場合では通信環境が異なります。
また、現地のインターネット回線やWi-Fi環境によっても速度は変わります。
そのためuseusdVPNでは14日間の無料期間を設けています。
無料期間中に、
- VPN接続前の速度
- VPN接続後の速度
- 普段利用する時間帯
- 実際に使用する端末
- 自宅など普段利用する回線
で確認していただくことをおすすめします。
速度測定の数字だけではなく、実際の用途で快適に利用できるかを確認したうえで、継続するか判断できます。
海外からVPNを使うと遅いときのまとめ
海外から日本のVPNサーバーへ接続すると、VPNを利用しない場合と比べて通信速度が低下することがあります。
ただし、原因がVPNサーバーとは限りません。
主な原因として、
- 海外から日本までの距離
- 現地のインターネット回線
- Wi-Fi環境
- VPNサーバーの混雑
- 国際通信の経路
- VPNの通信方式
- 端末やVPNルーターの性能
などがあります。
VPNが遅いと感じたら、まずVPNを切断した状態で速度を測り、その後VPN接続時の速度と比較してみてください。
さらに時間帯、端末、インターネット回線などを変えて比較すると、原因を切り分けやすくなります。
そして海外から日本のVPNを利用する場合に最も重要なのは、
「最速のVPN」を探すことより、自分の海外生活環境で必要な速度が安定して出るVPNを選ぶこと
だと考えています。
VPNの速度は国や回線によって変わるため、可能であれば無料体験などを利用し、実際の環境から試してから選ぶことをおすすめします。
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