海外から日本のWebサイトやオンラインサービスを利用するためにVPNを探していると、「無料VPN」という選択肢が見つかります。

「無料で使えるなら、有料VPNを契約する必要はないのでは?」

と思う方もいるでしょう。

一方で、「無料VPNは危険」「無料VPNは使わない方がいい」といった情報を目にすることもあります。

では、無料VPNと有料VPNでは何が違うのでしょうか。

結論から言うと、無料だから危険、有料だから安全と単純に判断することはできません。

大切なのは、そのVPNがどのような仕組みで運営されているのか、どのような制限があるのか、そして自分がVPNを何のために利用するのかを確認することです。

私自身、シンガポール駐在中に日本のインターネット環境が必要になり、複数のVPNを利用した後、日本国内に自分でVPNサーバーを構築しました。

現在は海外在住の日本人向けにuseusdVPNを運営しています。

この記事では、VPNを実際に利用・運営してきた経験をもとに、無料VPNと有料VPNの違いや、海外在住者が選ぶときに確認したいポイントを解説します。

無料VPNと有料VPNの一番大きな違いは?

VPNの基本的な仕組みそのものは、無料VPNでも有料VPNでも大きくは変わりません。

利用者の端末からVPNサーバーへ接続し、そのサーバーを経由してインターネットへアクセスします。

例えば海外から日本国内のVPNサーバーへ接続すると、

海外のパソコン・スマートフォン
↓
日本国内のVPNサーバー
↓
Webサイト・オンラインサービス

という経路で通信します。

この場合、接続先からは基本的に日本のVPNサーバー側のIPアドレスが見えます。

では無料VPNと有料VPNは何が違うのでしょうか。

大きな違いの一つは、VPNサービスを維持するための費用を誰が負担しているかです。

VPNサービスを運営するには、

  • VPNサーバー
  • インターネット回線
  • 通信量
  • システムの維持管理
  • セキュリティ対策
  • サポート

などに費用がかかります。

有料VPNでは、基本的に利用者が支払う料金によってこれらを維持します。

一方、無料VPNの場合は別の方法で運営費を確保する必要があります。

無料VPNはなぜ無料で提供できる?

無料VPNといっても、すべてが同じビジネスモデルではありません。

例えば有料VPNサービスの一部機能を無料で提供し、気に入った利用者に有料プランへ移行してもらう「フリーミアム型」があります。

この場合、有料ユーザーから得た収益によって無料ユーザー向けのサービスも維持できます。

ほかにも、

  • 広告を表示する
  • 利用できる機能を制限する
  • 通信量を制限する
  • 接続できるサーバーを限定する
  • 通信速度を制限する

など、さまざまな方法があります。

重要なのは、

「無料だから危険」と考えるのではなく、「このサービスは何によって運営されているのか」を確認することです。

運営会社、利用規約、プライバシーポリシーなどが明確になっているかも確認したいポイントです。

無料VPNでも日本のIPアドレスは利用できる?

無料VPNでも、日本国内のVPNサーバーが提供されていれば、日本のIPアドレスを利用できる場合があります。

ただし、無料プランでは接続できる国が限定され、日本サーバーは有料プランのみというサービスもあります。

海外から日本のIPアドレスを利用することが目的なら、

無料か有料かよりも、まず日本国内のVPNサーバーを利用できるか

を確認する必要があります。

日本のIPアドレスを利用する仕組みについては、「海外から日本のIPアドレスを利用する方法」で詳しく解説しています。

無料VPNは通信量が制限されることがある

無料VPNでよくある制限の一つが通信量です。

例えば、

「1か月○GBまで」

「1日○MBまで」

といった制限です。

メールやWebサイトを少し確認する程度なら問題にならないこともあります。

一方で、画像の多いWebサイト、大容量ファイルのダウンロード、オンライン会議などを頻繁に利用すると、通信量を多く消費します。

海外生活で日常的にVPNを利用するのであれば、自分の使い方で通信量制限が問題にならないか確認しておきましょう。

無料VPNは利用できるサーバーが少ない場合がある

VPN事業者は多くのVPNサーバーを維持するために費用を負担しています。

そのため無料プランでは、

  • 接続できる国が少ない
  • サーバーを自分で選択できない
  • 日本サーバーを利用できない

といった制限が設けられていることがあります。

海外在住の日本人が日本への接続を目的としてVPNを利用するのであれば、世界中に多数のサーバーがあることよりも、日本国内に利用できるサーバーがあるかの方が重要です。

無料VPNは混雑しやすい?

無料プランでは、利用できるサーバーが限られていることがあります。

そこに多くの利用者が集中すると、時間帯によって通信速度が低下する可能性があります。

ただし、これは「無料VPNだから必ず遅い」という意味ではありません。

有料VPNでも、特定のサーバーに利用者が集中すれば速度が低下することがあります。

VPNの通信速度は、

  • VPNサーバーの性能
  • サーバーの混雑
  • 利用者のいる国
  • 現地のインターネット回線
  • 日本までの通信経路
  • VPNの通信方式
  • 利用する時間帯

など、多くの要因に左右されます。

そのため、VPNの速度についてもスペックだけで判断せず、自分の環境で試してみることが重要です。

無料VPNを利用するときはプライバシーポリシーを確認する

無料VPNを検討するときに、特に確認したいのがプライバシーポリシーです。

VPNを利用すると、インターネット通信がVPNサーバーを経由します。

そのため、

  • どのような情報を取得しているのか
  • 接続ログを保存するのか
  • 保存する場合はどの程度の期間か
  • 取得した情報を何に利用するのか
  • 第三者への提供についてどう定めているか

などを確認することが大切です。

「無料VPNだから個人情報を売っている」「有料VPNならログを一切残さない」と一括りにすることはできません。

有料・無料に関係なく、運営者が誰なのか、どのような方針でデータを扱っているのかを確認しましょう。

有料VPNのメリットは?

有料VPNでは利用料金を収益源にできるため、一般的には無料プランよりも機能や利用条件の制限が少なくなります。

サービスによって異なりますが、

  • 多くのVPNサーバーを選択できる
  • 通信量の制限が少ない、またはない
  • 複数端末で利用できる
  • サポートを受けられる
  • VPNルーターなどに対応する
  • 追加のセキュリティ機能を利用できる

といった特徴があります。

海外赴任や留学などで長期間VPNを利用する場合は、毎日の生活で利用することになるため、安定性やサポートも重要になってきます。

有料VPNなら必ず安心というわけではない

一方で、有料VPNだから無条件に安心できるというわけでもありません。

料金を支払っているかどうかと、

  • 運営会社の信頼性
  • プライバシーへの取り組み
  • セキュリティ
  • サーバーの品質
  • サポート

は別の問題です。

有料VPNを選ぶ場合でも、運営会社や利用規約、プライバシーポリシーを確認することをおすすめします。

また、非常に長い契約期間を前提に大幅な割引を行っているVPNもあります。

月額換算では安く見えても、自分の環境に合わなければ意味がありません。

海外在住者の場合は、長期契約する前に実際の利用環境で試せるかどうかも重要です。

「完全無料VPN」と「有料VPNの無料体験」は違う

ここは混同しやすいポイントです。

無料でVPNを利用する方法には、

ずっと無料で利用できるVPN

と、

本来は有料のVPNを一定期間無料で試せるサービス

があります。

この2つは意味が異なります。

完全無料VPNは、広告や機能制限など別の方法によって運営費を確保しながら、無料サービスを継続して提供します。

一方、有料VPNの無料体験は、

契約する前に、自分の環境で利用できるか確認するための期間

です。

特に海外から日本へ接続する場合、国やインターネット回線によって使い勝手が変わるため、無料体験は非常に便利です。

短期旅行なら無料VPNでも十分な場合がある

例えば数日間の海外旅行で、

「一度だけ日本のWebサイトを確認したい」

という程度なら、信頼できる無料VPNで目的を達成できる場合があります。

VPNをほとんど使わない人が、毎月有料VPNを契約する必要はないでしょう。

無料VPNを選択肢から最初から除外する必要はありません。

ただし、

  • 運営者
  • 日本サーバーの有無
  • 通信量制限
  • プライバシーポリシー
  • 利用規約

などは確認しておきましょう。

海外赴任や留学では有料VPNを検討する価値がある

一方で、

  • 海外赴任
  • 海外留学
  • 海外移住
  • 長期出張

などで数か月から数年間海外で生活する場合は、VPNを利用する頻度も高くなります。

この場合、

  • 通信量
  • 安定性
  • 対応端末
  • サポート
  • 日本サーバー
  • VPNルーター対応

などを考えると、有料VPNを検討する価値があります。

私自身、シンガポール駐在中は家族も日本のインターネット環境を必要としていました。

短期間だけ自分が利用するのと、家族を含めて数年間利用するのとでは、VPNに求めるものも変わります。

海外赴任でVPNを利用する場合については、「海外赴任にVPNは必要?出国前に準備しておきたい理由を元海外駐在員が解説」でも詳しく紹介しています。

私自身は最終的に日本にVPNサーバーを作りました

シンガポール駐在中、私もいくつかのVPNサービスを試しました。

当初は、海外から日本へ接続できれば十分だと思っていました。

しかし実際に生活の中で使ってみると、速度だけではなく、

必要なときに安定して接続できること

が重要だと感じるようになりました。

特に家族が利用する場合、接続できなくなるたびに設定を変更するような環境ではストレスになります。

そこで最終的には日本国内に自分でVPNサーバーを構築しました。

この経験が、現在のuseusdVPNにつながっています。

useusdVPNは14日間無料で試せます

useusdVPNは、海外在住の日本人が日本のインターネット環境を利用することを主な目的とした有料VPNサービスです。

日本国内にVPNサーバーを設置し、海外から接続することで日本のIPアドレスを利用できます。

ただし、

「日本のVPNだから、すべての日本のサービスを利用できます」

という保証はしていません。

利用する国、現地のインターネット回線、端末、Webサービス側の仕様などによって結果が変わる可能性があるためです。

そこでuseusdVPNでは14日間の無料期間を設けています。

これは「無料VPN」として提供しているわけではなく、

自分の海外生活環境で本当に使えるかを確認するための無料体験期間

です。

実際に接続して、

  • 自分の国から利用できるか
  • 十分な速度が出るか
  • 使用する端末で利用できるか
  • 自分が必要としている用途に合うか

を確認したうえで、継続するか判断できます。

無料VPNと有料VPN、海外在住者はどちらを選ぶ?

無料VPNと有料VPNのどちらが良いかは、利用目的によって変わります。

短期間の旅行で少しVPNを使うだけなら、信頼できる無料VPNで十分な場合があります。

一方、海外赴任や留学などで長期間生活し、日本への接続を日常的に利用するのであれば、有料VPNを検討する価値があります。

重要なのは、

「無料か有料か」だけでVPNを選ばないことです。

日本サーバーの有無、通信量、速度、安定性、対応端末、サポート、プライバシーポリシーなどを確認し、自分の使い方に合っているかを判断しましょう。

そして海外から利用するVPNの場合、Webサイトに書かれているスペックだけでは分からないこともあります。

可能であれば、契約前や無料体験期間中に、

実際に自分が生活している国・回線・端末から試してみる

ことをおすすめします。


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