海外で生活していると、日本にいたときには普通に利用できていたWebサイトやオンラインサービスが使えなくなることがあります。

そこでVPNを調べてみると、今度は非常に多くのサービスが出てきます。

「どのVPNを選べばいいのか分からない」

「安いVPNでも大丈夫?」

「日本のサーバーがあればどれでも同じ?」

このように感じる方も多いのではないでしょうか。

私自身、シンガポール駐在中に日本のインターネット環境が必要になり、いくつかのVPNサービスを試しました。その後、自分で日本国内にVPNサーバーを構築したことが、現在運営しているuseusdVPNの原点になっています。

この記事では、特定のVPNサービスをランキング形式で比較するのではなく、海外在住者が日本のWebサイトやオンラインサービスを利用することを想定した場合に、VPNのどこを確認して選べばよいのかを解説します。

海外在住者のVPN選びは「何に使うか」から考える

VPNを選ぶ前に、まず考えてほしいのが、

「なぜVPNが必要なのか?」

ということです。

例えば、

  • 海外から日本のWebサイトを利用したい
  • 日本のIPアドレスを利用したい
  • 日本国内向けのオンラインサービスを利用したい
  • 海外のホテルや空港などでインターネットを利用する
  • 自宅の複数端末をVPNに接続したい
  • 海外赴任中も日本にいたときに近いネット環境を作りたい

など、目的によって必要なVPNは変わります。

世界中に数千台のVPNサーバーを持つことが強みのサービスもあれば、日本への接続を重視しているサービスもあります。

海外在住の日本人が「日本へ接続する」ことを目的とするなら、サーバーの総数だけでVPNを比較しても、あまり意味がない場合があります。

まず自分がVPNで何をしたいのかを整理してから選ぶことが重要です。

1.日本国内にVPNサーバーがあるか

海外から日本のIPアドレスを利用することが目的なら、最初に確認したいのが日本国内のVPNサーバーです。

VPNでは、

海外の端末
↓
日本国内のVPNサーバー
↓
インターネット

という経路で通信できます。

この場合、接続先のWebサイトからは基本的に日本のVPNサーバー側のIPアドレスが見えます。

逆に、日本のサーバーが用意されていなければ、日本のIPアドレスを利用するという目的には適しません。

「VPNサーバーが何か国にあるか」ではなく、自分が接続したい国にサーバーがあるかを見ることが重要です。

日本のIPアドレスを利用する仕組みについては、「海外から日本のIPアドレスを利用する方法」で詳しく解説しています。

2.実際に住んでいる国から利用できるか

日本にVPNサーバーがあれば、世界中のどこからでも同じように使えるとは限りません。

VPNの利用環境は、

  • 滞在している国
  • 現地のインターネット回線
  • 通信事業者
  • ネットワーク側の制限

などによって変わります。

国によってはVPNそのものに規制がある場合もあります。

そのため、「日本サーバーがある」という情報だけではなく、自分が住んでいる国から実際に利用できるかを確認することが大切です。

特に長期間の海外赴任や留学で利用する場合は、現地到着後に一度実際の回線から試してみるのが確実です。

3.通信速度だけでなく安定性を見る

VPNを比較すると、

「高速VPN」

「業界最速」

といった言葉をよく見かけます。

もちろん通信速度は重要です。

しかし海外生活で日常的に使うのであれば、最高速度だけではなく安定して接続できるかも重要です。

海外から日本のVPNサーバーへ接続する場合、通信は物理的に長い距離を移動します。

例えばシンガポールから日本への接続と、ヨーロッパから日本への接続では条件が異なります。

さらに、

  • 現地の回線品質
  • 日本までの通信経路
  • VPNサーバーの混雑
  • 利用する時間帯
  • VPNの通信方式

なども速度に影響します。

したがって、Webサイトに掲載されている速度だけを見て判断するより、実際に自分の環境で使ってみることをおすすめします。

4.サーバーの混雑状況も重要

VPNサーバーは複数の利用者で共有されることがあります。

同じサーバーに利用者が集中すれば、時間帯によって速度が低下する可能性があります。

特に海外在住者の場合、日本との時差によって自分が利用する時間帯と日本側の利用ピークが重なることもあります。

VPNを日常的に利用するのであれば、

「サーバーが何台あるか」

だけではなく、

1台のサーバーをどの程度の人数で利用しているのか

という視点もあります。

ただし、VPN事業者が利用人数や負荷状況を公開していないことも多いため、最終的には実際に利用して確認するのが確実です。

5.使いたい端末に対応しているか

海外生活では、パソコンだけでインターネットを利用するとは限りません。

例えば、

  • Windows
  • Mac
  • iPhone
  • iPad
  • Android
  • タブレット

など、家族を含めると複数の端末を使うことがあります。

VPNを契約する前に、自分が海外で使う予定の端末に対応しているかを確認しましょう。

特に家族帯同で海外赴任する場合、

「自分のパソコンでは使えるけれど、家族の端末では設定できない」

となると不便です。

海外へ出発する前にVPNを検討しているのであれば、実際に持っていく端末で一度設定しておくと安心です。

6.VPNルーターが使えるか

少し上級者向けですが、VPN対応ルーターを利用する方法もあります。

通常はパソコンやスマートフォンごとにVPNを設定しますが、VPNクライアント機能を搭載したルーターを利用すると、ルーター側からVPNサーバーへ接続できます。

これにより、端末側にVPN機能がない機器でも、VPNルーターを経由して通信できる場合があります。

また、家族で複数の端末を利用する場合にも便利です。

ただし、すべてのVPNサービスがルーター接続に対応しているわけではありません。

VPNルーターを利用する予定がある場合は、

  • OpenVPNなどの通信方式に対応しているか
  • ルーター用の設定情報が提供されているか
  • 設定方法の説明があるか

などを確認しておきましょう。

7.「日本IPなら何でも利用できる」と考えない

ここは特に注意してほしいところです。

日本国内のVPNサーバーへ接続すれば、基本的に日本のIPアドレスを利用できます。

しかし、

日本のIPアドレスになれば、すべての日本向けサービスが必ず利用できるわけではありません。

Webサービス側では、IPアドレス以外にも、

  • VPNからのアクセスか
  • アカウントの登録地域
  • Cookie
  • 端末の位置情報
  • 決済情報

などを利用している場合があります。

また、サービス側の仕様変更によって、それまで利用できていた環境から突然利用できなくなる可能性もあります。

そのため、「○○が必ず見られる」「すべての日本サービスに対応」といった宣伝文句だけでVPNを選ぶのではなく、自分が利用したいサービスを実際の環境で確認することが重要です。

8.無料体験や返金制度があるか

海外在住者がVPNを選ぶうえで、私はこれをかなり重要だと考えています。

VPNは利用する国や回線によって結果が変わるからです。

口コミで、

「速度が速かった」

「問題なく使えた」

と書かれていても、その人と自分では国もインターネット回線も違う可能性があります。

そのため、

契約前または契約直後に、自分の環境で実際に試せるか

を確認しておきましょう。

無料体験期間や返金制度があれば、

  • 自宅の回線から接続できるか
  • 十分な速度が出るか
  • 必要な端末で利用できるか
  • 自分が使いたい用途に適しているか

を確認できます。

VPNについては、スペック表を比較するより、自分の環境で一度接続してみる方が分かりやすいことも多いです。

9.料金だけで選ばない

VPNサービスの料金にはかなり差があります。

月額数百円程度のサービスもあれば、年間契約を前提に大幅な割引を行っているサービスもあります。

もちろん料金は重要ですが、

「一番安いVPN=自分に一番合っているVPN」

とは限りません。

例えば年間契約なら月額換算では安くても、実際に海外から利用してみたら自分の用途に合わなかった、という可能性もあります。

逆に、世界中に大量のサーバーを持つ高機能なVPNでも、日本への接続しか利用しないのであれば、自分には不要な機能が多いかもしれません。

価格だけでなく、

自分が必要としている機能に対して料金が適切か

という考え方で比較するとよいでしょう。

10.サポート体制を確認する

海外生活では、日本にいるときとは違うネットワークトラブルが起こることがあります。

VPNにつながらないときに、

「VPN側の問題なのか」

「海外のインターネット回線の問題なのか」

「端末の設定なのか」

を自分で判断するのは意外と難しいものです。

そのため、VPNを長期間利用するのであれば、サポート体制も確認しておきたいポイントです。

特に、

  • 日本語で問い合わせできるか
  • 設定方法が分かりやすく公開されているか
  • トラブル時の情報が提供されているか

などを確認しておくと安心です。

私がシンガポール駐在中に感じたこと

私自身、シンガポール駐在中にいくつかのVPNサービスを利用しました。

最初は「日本につながればそれでいい」と考えていました。

ところが実際に家族で使ってみると、単純に接続できるだけでは十分ではありませんでした。

接続が不安定になったり、昨日まで利用できていた環境が変わったりすると、ネットワークに詳しくない家族にとっては大きなストレスになります。

結局、自分で日本国内にVPNサーバーを構築することになりました。

この経験から感じたのは、

VPNはスペック表だけでは選びにくい

ということです。

サーバー数や最高速度、料金も重要ですが、海外生活で毎日利用するのであれば、

自分の国、自分の回線、自分の端末で安定して使えるか

の方が重要だと思います。

useusdVPNの場合

useusdVPNは、私自身がシンガポール駐在中に必要になったVPN環境をもとに、海外在住の日本人向けに提供しているサービスです。

世界中のVPNサーバーへ接続することを目的としたサービスではなく、海外から日本のインターネット環境を利用することを主な用途としています。

日本国内にVPNサーバーを設置し、海外から接続することで日本のIPアドレスを利用できます。

ただし、特定のWebサイトやオンラインサービスが必ず利用できることを保証するものではありません。

利用する国、回線、端末、サービス側の仕様などによって結果が変わるためです。

そこでuseusdVPNでは14日間の無料期間を設けています。

まず実際に海外のご自身の環境から接続して、

  • 接続できるか
  • 通信速度に問題がないか
  • 使用予定の端末で利用できるか
  • 自分の目的に合っているか

を確認していただき、そのうえで継続するか判断できます。

海外在住者向けVPNの選び方まとめ

海外在住者がVPNを選ぶときに重要なのは、「有名だから」「安いから」「サーバー数が多いから」という理由だけで決めないことです。

特に日本への接続を目的としているのであれば、

  • 日本国内にVPNサーバーがあるか
  • 自分の住んでいる国から利用できるか
  • 十分な速度と安定性があるか
  • 利用する端末に対応しているか
  • 必要ならVPNルーターが利用できるか
  • サポートを受けられるか
  • 実際の環境で試せるか

といった点を確認しましょう。

そして最も大切なのは、

自分がVPNを何のために利用するのか

を最初に決めておくことです。

日本への接続しか必要ない人と、世界中のサーバーへ接続したい人では、適したVPNは違います。

また、同じVPNでも国やインターネット回線によって使い勝手は変わります。

Webサイト上のスペックや口コミだけで判断せず、可能であれば実際に自分の海外生活環境から試してから選ぶことをおすすめします。


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